ポートレイト・イン・ジャズ

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ポートレイト・イン・ジャズ 」っていう村上春樹のジャズ随筆の本のレビューを書いといて載せるの忘れてました。

半年ほど前にレビューを書いてそのままにしてたんですけど、やはり読んだ時に書いたせいか臨場感があるような気もします。やはり鮮度は必要ですね。
「ですます」調と「だ、である」調が交じっているのは多分わざとで、今もそうです。
最後を歳のせいにするあたりは今も昔も変わらずですが…。
というわけでここからレビューです。

最近「ポートレイト・イン・ジャズ」っていう村上春樹のジャズ随筆の本を軽い気持ちで読んでみました。
どうやらジャズミュージシャンの一人ずつについて春樹が思うことを書いているっていう趣向の本なのだけど、まず、一人目がチェット・ベイカーなんですね。

その最後をちょっと引用してみますと

技術的に洗練されているわけではない。芸をこらすわけでもない。演奏は驚くほど開けっ広げである。

「こんな演奏をしていたら、どこかで転んでしまうんじゃないか。ぽきっとおれてしまうんじゃないか」という不安感さえ、僕らは抱いてしまう。その音はどこまでも潔く、パセティックである。そこには歴史を画する深みはないかもしれない。しかし深みのなさが、逆に僕らの心を突き揺るがせる。

それは僕らがどこかで経験した何かに似ている。ひどく似ている。

この最後の「ひどく似ている。」を読んだ瞬間にぐっとくるものがあってここ2日ほど、この部分ばかり読んでいます。そのせいでこの先は知りません。

この一文だけで村上春樹は名を残してもいいんじゃないかと本日思ったわけで。この気持ちは過ぎた青春という意味ではサザンの歌にも通じるところがあったりするんだけど、この一文に関して言うと「言葉にできない部分」を見事に言い表した名文であると思う。

最近生徒から図書館戦争を借りて読んでみたところ、電車の中で泣きそうになってちょっと焦るという事態となり、涙腺がおかしくなったのかと思っていたのだけど、もうね、「ひどく似ている」部分を見つけるたびに懐かしくてダメなんだってことに気が付いた。

まぁそんなわけで歳をとるっていうのがどういうことなのかちょっと分かってきた気がします。

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