『言の葉の庭』 最初ヒロインのユキノが謎かけのように和歌をタカオに贈る。
それが以下のものです。ちなみにこれは柿本人麻呂の和歌だそうです。(掃除機庵主人日乗を参考にしました)
柿本人麻呂は我がふるさとの宇陀市と関わりの深い歌人で割と親近感有り。
さて、それでまずユキノが引用した和歌はこちら↓。
【なるかみの すこしとよみて さしくもり あめもふらぬか きみをとどめむ(鳴る神の 少し響みて 差し曇り 雨も降らぬか 君を留めむ)】
現代語訳:雷が少し響いて空が曇る。雨も降ってくれないだろうか、そうすればあなたがここに留まってくれるだろうに。
また後半、タカオがユキノに返す和歌はこちら↓
【なるかみの すこしとよみて ふらずとも わはとどまらん いもしとどめば(鳴る神の 少し響みて 降らずとも 我は留まらん 妹し留めば)】
現代語訳:雷が少し響いて雨が降らなくても、私は留まりますよ、あなたが留めてくれるのであれば。
これも↑柿本人麻呂の和歌らしいです。
現代語訳はそれほど難しくないかと思われます。基本的な助動詞と、接続助詞が分かっていれば訳がとれます。
さて、『古文なんて愛だの恋だのばっかりで』などと言ってる自分ですが、割とこういうやり取りは嫌いじゃない。なんていうか、洒落た会話を楽しむ姿が目に浮かぶようです。ウィットの効いた会話をシャンゼリゼ通りのカフェで交わしちゃうパリっ子みたいな感じですかね(ちょっと意味わかんない?大丈夫、自分も分かってないからw)
そもそも和歌っていうのは31という限られた文字数の中で掛詞やら本歌取りやら枕詞といった修辞法、さらに言葉のチョイスによって世界観を作り上げる。
日本語は表現が他の言語に比べてやたらと多いと聞いたことがあるけど、こういう伝統が言葉を生み出してきたのだろうな、と思ったりしました。
コメント
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和歌じゃなくて短歌じゃぁないですかね