ここ数日で北森鴻さんの小説を2冊読みました。
実は僕は本(小説)は普段はあまり読まないようにしています。読み始めるとチェーンスモーカーの如くどんどん新しい本に手が伸びてしまうからです。
北森鴻さんは2010年1月25日に亡くなられてしまいました。まだ40代のこれからってところだったのですごく残念でした。
そんな北森さんの新刊が文庫になっていたので思わず手を出してしまったのですが、そのまま北森さんの未読の小説を1冊、過去に読んだ小説を2冊読み返すなどハマってしまいました。
仕事にも差し支えそうなのでそろそろ止めますが、読んでいて本当に惜しいという思いが込み上げてきます。この人の新刊がこの先出ないというのは人生の楽しみを一つ失ってしまった感じです。
こちらが新刊、花師と絵画修復師という二つの顔を持つ佐月恭壱が主人公の絵画ミステリー。とはいえ、殺人がどうこうというミステリーではなく、ある事件や芸術品の背後にあるなぞを解き明かすというスタイルです。
虚栄の肖像 (文春文庫) | |
北森 鴻
文藝春秋 2010-09-03 おすすめ平均 |
これは古道具屋雅蘭堂が舞台の小説。ジッポや根付などの古道具の裏にある人々の思いなどを解き明かすミステリー。
孔雀狂想曲 (集英社文庫) | |
北森 鴻
集英社 2005-01-20 おすすめ平均 |
これ以外にシリーズとしては冬狐堂という旗師(店を持たない骨董屋)のシリーズや香菜里屋というビアバーを舞台にした小説などがあります。
この手の骨董や絵画を主題にした作品で良質な小説は少なく、好きな人にはたまりません。
ちなみに香菜里屋のシリーズで北森さんが賞をとられた小説に「花の下にて春死なむ」というのがありますが、このブログの以前のタイトルは特にそれを意識したわけではありません(実は同じだったという…)。
西行の有名な短歌【願わくば花の下にて春死なんその如月の望月の頃】というものからとりました。
漂泊の歌人西行が好きだったもので。
花の下にて春死なむ (講談社文庫) | |
北森 鴻 郷原 宏
おすすめ平均 |
僕は未読ですが、蓮杖那智という民俗学者を主人公にしたシリーズも面白いという評判を聞いてます(北森さんの小説でつまらなかったことは一度もありませんが…)ので時期を置いてまた読みたいと思っています。
コメント
コメント一覧 (2件)
では、このブログタイトルの由来は何だい?
まあブログタイトルは西行の辞世の句からとりました。
「願わくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃」ってやつ。
漂泊の人であった西行が自分の生き死にを自分で決めたかったってのが良いなあと。
小説のタイトルと同じでマズイと思ったんだけどそれ以上のが思いつかずこんなふうになりました。