300ページくらいだけど仕事の合間などを縫ってさらっと読めました。これって速読ですかね??
なかなか面白かったので紹介しておきます。
「エデン
薬物(ドーピング)についてですが、ロードレースはドーピングとの関わりも昔からあります。
実際ランス・アームストロングという偉大な選手がおりまして、この人は癌を克服し、ツール・ド・フランス7連覇(!!)を達成したアメリカの英雄だったんですが、2012年ドーピングを認め、優勝が剥奪されました。
もちろん自転車のお話ですが、プロとして、人間としての意地やプライドが錯綜するサスペンス要素の強い小説です。ちなみに前作「サクリファイス 」も同じようにサスペンステイストがあり、面白いの一言です。
先日情熱大陸で新城幸也さん(サイクルロードレーサー)が紹介されていましたが、日本人がヨーロッパのロードレースにプロとして出場しているのは凄いの一言。
自転車とはいえ、ヨーロッパではサッカーのような大人気スポーツなのです。ロードレースの文化がない日本から本場の選手層の厚いヨーロッパでプロになる人がいることは誇らしいことです。これを機に日本でも盛んになれば面白いけど。
次に「プライド 」。
これは短編集ですが、タイトル通り様々なプライドを持った人たちが織りなす物語です。
自分は農林水産省の官僚が事業仕分け人と対決するところから始まり、日本の米農家の将来を真剣に考える「一俵の重み」が泣けました。
やはり自分は田舎育ちのためなのか、こういった農業に関する話に弱いという感じはあります。
また、プライド以外でほぼ全ての話に共通するのは、正しい道は常に険しいということです。
「正しい道がどちらかは分かっていた、しかし自分は選ばなかった。正しい道は困難だったからだ。」というようなセリフが「セント・オブ・ウーマン/夢の香り 」という映画にありましたが、まさにそのとおりですね。
また、そのほかの話もさすがは「新装版 ハゲタカ 」の著者だけあって話に引き込まれますし、リアリティがありフィクションとは思えない面白さがありました。特に人物描写が素晴らしいと思います。
最後が「利休にたずねよ 」。
映画化されてたんですね。テレビを見ない自分はさっぱり知りませんでした。
まだ読んでいる途中ですが、利休の意地やプライドが迫ってくる感じでこれもなかなか面白い。
たまたまですが、買った本がすべてプライドを主題の一つにしている本でした。
しかし、プライドっていうのは見た目では分かりませんね。
パッと見では柔和で謙虚な人でも、ある部分で絶対に引けないところがある。
また、プライドっていうと「プライドが高い」みたいな言い方もあるし、あまり良いものではないような感じのする言葉ですが、プライドがその人の核であり、その人の行動原理であり、その人足らしめているところがあるのではないでしょうか。
くだらないプライドならいらないけどプライドを持って生きていきたいものです。
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